こんにちは。高知で小規模事業者の労務をサポートしている、おはら社会保険労務士事務所の小原です。
毎日暑い日が続きますね。8月に入り、街も少しずつお盆休みの空気に包まれてきました。
この時期になると、経営者の方から“お盆の給与計算はどうなりますか”“スタッフからお盆に休みたいと要望が重なって困っている”といったご相談をよくいただきます。
お店や会社によって、お盆をカレンダー通りに休むところもあれば、交代制で通常営業するところもあります。だからこそ、お盆休みの扱いは会社ごとのルールがとても大切です。
今回は、経営者の皆さまに向けて、お盆休みや休日の労務管理のポイントをお伝えします。
お盆休みは法律上の休日ではありません
お盆休みといえば、8月中旬にお休みをとるのが一般的です。しかし、労働基準法において“お盆は会社を休みにしなければならない”という決まりはありません。
つまり、お盆休みを会社の休日とするかどうかは、それぞれの会社が自由に決めることができます。製造業のように工場を一斉に止める会社であれば、就業規則で“8月13日〜15日は会社の休日”と定めていることが多いです。一方で、飲食店や小売業などでは、通常通り営業してスタッフはシフト制で休みをとる形が一般的でしょう。
大事なのは、自社のお盆休みが“就業規則上の休日”なのか、それとも“通常の営業日”なのかを、経営者とスタッフの双方で正確に認識し合っているかということです。世間のイメージと会社のルールにズレがあると、トラブルの原因になってしまいます。
お盆に出勤した場合、割増賃金は必要か
お盆期間中にスタッフに働いてもらった場合、給与計算をどうすればよいか迷う経営者の方も多いです。これも、自社のルールがどうなっているかで扱いが変わります。
もし、就業規則や年間カレンダーで“お盆の3日間は休日”と明確に定めているのであれば、その日に出勤させた場合は“休日出勤”となります。労働基準法では、週に1回の法定休日に働かせた場合は35%以上、それ以外の所定休日に働かせた場合でも、週の労働時間が40時間を超えていれば25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
逆に、お盆期間が通常の営業日であり、通常のシフト通りに出勤しただけであれば、特別な割増賃金を支払う義務はありません。ただし、忙しい時期に頑張ってくれるスタッフへ、会社独自の“お盆手当”を支給することは自由です。現場で汗を流してくれるスタッフへの感謝を形にすることも、職場を明るくする一つの方法です。
有給休暇を使ってお盆休みをとる場合の注意点
通常営業している会社では、スタッフが“お盆に帰省したいから有給休暇を使いたい”と希望を出してくることがあります。有給休暇は、原則としてスタッフが希望した日に取得させなければなりません。
特定の日に希望が集中しすぎて事業が回らなくなる場合は、会社は別の日に休んでほしいとお願いする時季変更権を行使できます。とはいえ、お盆という特別な時期に休みをずらしてほしいと伝えるのは、スタッフの不満につながりかねません。
また、会社側から“今年のお盆は仕事が薄いから、全員有給を使って休んでね”と勝手に指定することもできません。会社主導で有給休暇を消化させるためには、会社とスタッフの代表者との間で労使協定を結ぶ必要があります。思いつきで有給を割り当てることはできないので、注意が必要です。

早めのカレンダー共有が安心を作ります
お盆休みをめぐるモヤモヤを防ぐために、経営者の皆さまにまず確認していただきたいことがあります。自社の今年の休日カレンダーやシフト予定表が、スタッフの目の届くところに共有されているかどうかから確認すると整理が早いです。
働く人を明るく元気に。それが、会社を元気にする。私はいつもそうお伝えしています。スタッフは“いつ休めるのか”がわかっていれば、家族との予定も立てやすくなり、安心して仕事に打ち込むことができます。
お盆休みが近づいてから慌ててルールを決めるのではなく、早めに休日の扱いを明確にして伝えてあげてください。小さなルールを整えることが、長く働いてもらえる良い職場づくりにつながります。少しでも迷うことがあれば、いつでも気軽にご相談くださいね。