こんにちは。高知で小規模事業者の労務をサポートしている、おはら社会保険労務士事務所の小原です。
最近、経営者の方から“うちの若い男性社員が、奥さんの出産に合わせて育休を取りたいと言ってきたんです”というご相談を受けることが増えました。テレビではよく聞く制度ですが、いざ自分の会社でとなると焦りますよね。“人が足りないのにどうしよう”“手続きが難しそう”と不安になるのは当然です。ですが、男性育休は会社を良くするチャンスでもあります。今回は、小さな会社が男性育休にどう向き合えばいいのかをお話しします。
法律のルールと現場のリアルな悩み
“従業員が数人しかいないから、一人抜けたら仕事が回らない”というのが、多くの経営者さんの本音だと思います。しかし法律上、条件を満たした従業員からの育休の申し出を会社は拒否できません。現在は通常の育休とは別に、子の出生後8週間以内に最長4週間休める産後パパ育休という制度も始まっています。
とはいえ、男性が何ヶ月も休むケースはまだ少なく、数週間から1ヶ月程度の取得が現実的です。頭ごなしに“無理だ”と否定するのではなく、今のルールを正しく知ることが大切です。期間や休業中の給与の仕組みを知るだけで、経営者としての心の準備はずいぶん楽になります。

最初にやるべきことは、たった一つ
男性従業員から“妻が妊娠しました”と報告を受けたとき、真っ先に何と声をかけていますか。忙しいとつい“仕事はどうするの?”と聞いてしまいそうになりますが、まずは“おめでとう!”と一緒によろこんでみてください。これだけで、従業員の安心感は全く違います。
そして最初にやるべきことは、ざっくりで構いませんので、いつ頃、どのくらいの期間休みたいかという希望を聞くことです。出産日は前後することが多いため、きっちり決める必要はありません。“だいたいこの時期にこれくらい休む”という目安がわかれば、会社も業務の調整に向けて動き出すことができます。
お金と人手の不安はこう減らす
休業中の給与や社会保険料などの金銭面と、残された社員の負担をどうするか。ここが一番の悩みどころです。
まずお金についてですが、育休中の給与は会社が支払う義務はありません。代わりに雇用保険から育児休業給付金が支給されます。さらに、会社が支払う社会保険料も、年金事務所へ手続きをすれば免除になります。加えて、男性に育休を取らせた中小企業がもらえる国の助成金もあります。これらを活用すれば、会社の金銭的な負担は想像以上に軽く済みます。
人手の問題については、業務の引き継ぎを無駄な作業をなくすチャンスと捉えてみてください。特定の担当者しかわからない仕事をみんなで共有する仕組みができれば、育休明けにはもっと強い組織になっています。
働きやすい職場は強い会社をつくる
働く人を明るく元気に。それが、会社を元気にする。私はいつもそうお伝えしています。
“うちの会社は、男性でも気兼ねなく家族のための時間を取らせてくれる”と感じた従業員は、会社への愛着を深め、復帰後もより一層仕事に精を出してくれます。求人を出してもなかなか人が集まらない今の時代において、これは何よりも強いアピールポイントになります。男性育休はただのお休みではなく、長く働いてもらうための投資なのです。
助成金の申請や給付金の手続きは複雑な部分もありますので、一人で抱え込まずに専門家を頼ってください。高知の職場で、笑顔のパパ社員が一人でも増えるよう、一緒に準備を進めていきましょう。