こんにちは。高知で小規模事業者の労務をサポートしている、おはら社会保険労務士事務所の小原です。
「うちの会社では、慶弔休暇などの特別休暇をとるとき、正社員は有給だけどパートさんは無給になっています。これって今の法律でも大丈夫ですか?」
先日、初めてアルバイトを採用した経営者の方からこんなご相談を受けました。昔からある就業規則をそのまま使っていると、このような規定になっていることがよくあります。
働き方が多様になるなかで、雇用形態による待遇の違いは経営者にとって悩ましい問題です。今回は、特別休暇の扱いで気をつけるべきポイントについてお話しします。
特別休暇は会社が自由にルールを決められる
お休みには、大きく分けて二つの種類があります。一つは年次有給休暇のように、法律で与えることが義務付けられているお休みです。もう一つは、会社が独自に設けるお休みです。
慶弔休暇、夏季休暇、ボランティア休暇などは、法律上の決まりがない特別休暇にあたります。つまり、特別休暇を設けるかどうか、そしてそれを有給とするか無給とするかは、原則として会社が自由に決めることができます。
だからこそ、正社員は有給、非正規の従業員は無給とするルール自体が、すぐに法律違反になるわけではありません。しかし、今の時代はこの“会社が自由に決められる”という部分に、少し注意が必要です。
理由のない待遇差はトラブルの種になる
気をつけておきたいのが、“同一労働同一賃金”というルールの存在です。これは、パートタイム・有期雇用労働法という法律によって、同じ会社で働く正社員と非正規社員の間で、不合理な待遇差を設けることが禁止されているというものです。
たとえば、身内に不幸があったときに休む慶弔休暇を考えてみましょう。お葬式に参列したり、悲しみを癒やしたりする目的は、正社員でもパートさんでも同じはずです。それなのに、雇用形態が違うという理由だけで一方は給料が保障され、もう一方は無給になってしまうと、働き手の不満につながりやすくなります。
過去の裁判でも、目的が同じ休暇について正社員にだけ有給を認めるのは不合理だ、と判断されたケースがあります。同じ職場で頑張ってくれているからこそ、納得できない違いはモチベーションを大きく下げてしまうのです。
違いを設けるなら説明できる理由が必要です
それでは、すべての待遇を正社員とまったく同じにしなければならないのでしょうか。決してそうではありません。大事なのは、待遇に違いを設ける場合、その理由を従業員へきちんと説明できる状態にしておくことです。
たとえば、仕事の責任の重さや、将来の配置転換があるかどうかなど、働き方の実態に明確な違いがある場合は、待遇に差をつけることが合理的な理由として認められることもあります。
しかし、経営者自身が説明に困ってしまうような違いであれば、ルールの見直しを検討する時期にきているのかもしれません。無給のままにするにしても、休暇そのものはパートさんでも取得しやすいように規定を整えるなど、歩み寄れる部分を探すことも一つの方法です。
まずは就業規則をパラパラとめくってみてください
忙しい経営者の方が最初にやるべきことは、自社の就業規則や雇用契約書を確認することです。特別休暇の項目がどう書かれているか、対象者は誰になっているか、まずは現状を把握してみてください。
当事務所では「働く人を明るく元気に。それが、会社を元気にする」という考えを大切にしています。働き手が“自分も大切にされている”と感じられる職場は、間違いなく活気に満ちていきますし、結果的に会社の成長にもつながります。
ルールを見直すことは大変に感じるかもしれませんが、より良い職場をつくるための大切なステップです。もし、就業規則の書き方や待遇の違いで迷うことがあれば、いつでも気軽にご相談くださいね。
