小さな一歩から始める!初めての就業規則づくり

こんにちは。高知で小規模事業者の労務をサポートしている、おはら社会保険労務士事務所の小原です。

経営者のみなさん、毎日のお仕事お疲れ様です。スタッフが少しずつ増えてくると、嬉しさの反面、労働時間や休日の扱いなど、労務の管理で悩むことも増えてくるのではないでしょうか。

スタッフから “”有給休暇はいつから取れますか”” と聞かれたり、遅刻の連絡方法が人によってバラバラだったりして、戸惑った経験はありませんか。このような時に “”就業規則を作ったほうがいいのかな”” と頭をよぎることもあると思います。

しかし、就業規則と聞くと、難しい言葉が並んだ分厚い書類をイメージして、後回しにしがちです。日々の業務に追われている経営者にとって、まとまった時間を取るのは大変なことだと思います。

ですが、最初から完璧で立派な就業規則を作る必要はありません。大事なのは、会社とスタッフの間のすれ違いを防ぎ、お互いが安心して働ける環境を整えることです。まずは身近なルールを一つ決める、小さな一歩から始めてみましょう。

なぜ小さな会社にもルールが必要なのか

スタッフが2人や3人のうちは、社長の背中を見て覚えるという “”あうんの呼吸”” が通用していました。しかし、人数が増えてくると、人によって仕事に対する考え方はそれぞれ異なります。共通のルールがない状態では、スタッフは何を基準に行動すれば良いのか分からず、不安になってしまうものです。

例えば、体調不良で急に会社を休む際、電話で連絡すべきか、スマートフォンのメッセージアプリで済ませて良いのか迷うスタッフもいます。経営者側も、直前になってメッセージだけで連絡が来ると、当日の業務調整が遅れて困ってしまいます。

このような小さなすれ違いが積み重なると、職場の雰囲気が悪くなり、せっかく入社してくれたスタッフの離職につながることもあります。働く人を明るく元気にすることが、会社を元気にすることにつながります。お互いの信頼関係を守るためにも、共通の約束事が必要です。

法律で決まっている就業規則のルール

ここで、法律上の義務についてお伝えします。労働基準法により、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成して労働基準監督署に届け出なければなりません。これは法律で定められた明確な義務であり、違反した場合には罰則の対象となります。

一方で、働くスタッフが10人未満の小規模事業者については、就業規則の作成と届け出の義務はありません。そのため、急いで大がかりな書類を用意しなくても法律上は問題ありません。

ただし、法律上の義務がなくても、労働条件を明確にしておくことは必要です。10人未満の会社であっても、スタッフを1人でも雇う際には、労働条件通知書などによって、給与や勤務時間、休日などの重要な労働条件を必ず書面で交付しなければなりません。義務の有無にかかわらず、ルールを形にしておくことはトラブル防止の基本となります。

誰もができる最初の具体的な進め方

それでは、具体的に何から始めれば良いのでしょうか。いきなり市販の難しいひな形をそのままコピーして使うのは避けたほうが安心です。自社の実態に合っていないルールを一度決めてしまうと、後から変更するのが難しくなり、かえって自社を苦しめる原因になります。

まずは、今の会社で実際に運用している始業時刻と終業時刻、お休みの曜日をメモ帳に書き出してみてください。例えば、朝の朝礼は何時から始めているか、お昼休憩は何分間取っているかといった、日々の当たり前のスケジュールを言葉にしてみるのです。

このように現状を書き出すだけで、それが我が社のルールの立派な土台になります。書き出してみることで、曖昧だった部分や、スタッフと認識がズレていた部分が自然と見えてきます。まずは自社の現状を知ることから確認してみてください。

まずは就業規則の小さな一歩から始めよう

就業規則を作ることは、決して経営者を縛るものではなく、会社とスタッフの未来を守るための前向きな取り組みです。難しく考えすぎず、まずは現在の会社のルールをメモ書きすることから始めてみませんか。

ルールが明確になれば、スタッフも安心して仕事に集中できるようになり、職場の笑顔が増えていきます。働く人を明るく元気にし、会社を元気にするために、まずは就業規則の小さな一歩から始めましょう。