正しい出勤簿のつけ方を知っていますか?会社を守る労働時間の管理

こんにちは。高知で小規模事業者の労務をサポートしている、おはら社会保険労務士事務所の小原です。

先日、高知市内の飲食店を経営する社長さんから、「うちは小さな店だから、出勤簿はカレンダーに○をつけるだけなんだけど大丈夫かな?」とご相談をいただきました。実は、このように出勤簿の管理方法に悩んでいる経営者の方は少なくありません。

日々の業務が忙しいと、事務手続きや書類の管理は後回しになりがちですよね。特に初めて人を雇ったばかりの会社では、何から手をつければいいか迷うのも無理はないでしょう。

しかし、出勤簿は会社を経営していく上で、とても重要な役割を持っています。今回は、なぜ出勤簿が必要なのか、具体的にどう管理すればよいのかを分かりやすくお伝えします。

出勤簿の作成は法律で決まっている義務です

会社はスタッフの労働時間を正しく把握しなければなりません。これは労働基準法で定められた経営者の義務です。そのため、出勤簿やタイムカードを用意して、誰が何時に働き始めて、何時に仕事を終えたのかを記録する必要があります。

小さな会社だからという理由で、記録を省略することは認められていません。もし労働時間の記録をしていないと、法律違反になってしまいます。書類は必ず作成して、5年間(当面の間は3年間)保存しなければなりません。

これは正社員だけでなく、パートやアルバイトなど、すべてのスタッフが対象になります。だからこそ、まずは全員分の出勤簿をしっかり用意することが出発点です。

現場でよくある記録の落とし穴

実際の現場では、出勤簿はあっても中身が曖昧になっているケースがよく見られます。例えば、毎日の退勤時間がすべて「17:00」とぴったり同じ時間で並んでいるような出勤簿です。毎日寸分の狂いもなく同じ時間に仕事が終わることは、現実的には珍しいのではないでしょうか。

大事なのは、1分単位で実際の時間を記録することです。タイムカードであれば、出勤・退勤の時にその都度ガチャンと印字するのが基本になります。手書きの場合も、その日の終わりにスタッフ本人が実際の時間を記入するようにしてください。

月末にまとめて記憶を頼りに書くようになると、どうしても時間が適当になります。実際の勤務時間とズレてしまい、後からトラブルの原因になることもあるので注意が必要です。

正確な記録が経営者とスタッフの信頼を育む

私たちが目指すのは、「働く人を明るく元気に」という職場環境です。スタッフが安心して前向きに働くためには、頑張って働いた時間が正しく認められているという安心感が欠かせません。

出勤簿を正しくつけることは、スタッフを大切にすることに直結します。同時に、それは経営者の皆さまの身を守ることにもつながるのです。もし後から “未払いの残業代があるのではないか” という話が出たとき、正しい出勤簿があれば、会社が適正に給料を支払っていることを証明できます。

つまり、出勤簿は会社とスタッフの信頼関係を形にするための、最初の大切なルールなのです。お互いが気持ちよく働くためにも、曖昧な管理からは卒業しましょう。

まずは足元の出勤簿をチェックしてみましょう

それでは、明日からの運用のために、まずは自社の出勤簿やタイムカードが今どうなっているかを確認してみてください。手書きの出勤簿を使っているなら、出退勤の時間が空欄になっていないか、毎月全員分が保管されているかを1枚ずつ見てみることから始めましょう。

もし、時間が大雑把になっていたり、記録が漏れていたりする部分を見つけたら、スタッフに「明日から1分単位で書いてね」と声をかけるだけで、現場の意識は変わります。最初から完璧な仕組みを作るのは大変ですから、まずは今ある記録を丁寧に確認することから一歩を踏み出してみてください。

スタッフが安心して働ける元気な会社作りのために、できることから少しずつ進めていきましょう。